50年続く町民がつくる「只見ふるさとの雪まつり」只見線復活でパワーアップ! (2/11・12開催)

2023.01.23

福島県只見町では、毎年冬に「只見ふるさとの雪まつり」が開催されており、2023年はその記念すべき第50回を迎えます(開催日は2023年2月11日(土)~12日(日))。2022年秋の只見線全線運転再開記念として、今回も前夜祭+2日間で内容もさらに充実しています。巨大な雪像とステージ、夜には花火が盛大に打ち上げられます!! 30年に渡って力を注いできた雪まつりコーディネーターの小沼信孝さんに、その想いを語っていただきました。

雪まつりの会場準備で(2023年1月23日)

小沼 信孝 さん(62) Nobutaka Onuma
雪まつりコーディネーター只見町出身。高校卒業後会社員として働く。30代で脱サラし、町内で「錦鯉のおぬま」を経営。錦鯉、イワナ、ヤマメの生産に従事。
ボランティアで雪像づくりに携わったことがきっかけで、30年ほど前より雪まつりの実行委員となる。その後、雪まつりコーディネーターとして、企画調整、雪像を含む会場設計、イベント運営に力を注いでいる。

只見線をモチーフにした大雪像に注目。
屋外で、約30作品の雪像を楽しめる

ーー雪まつりの魅力について教えてください。

小沼: 今回は、只見線広場を会場に、高さ約13メートル、幅約30メートルの雪のステージと大雪像を作製します。只見線全線運転再開記念として、今回は只見線をモチーフにしました。どう表現しようかと、悩みつつ準備を進めています。

また、雪のかまくらを含め、地域の小中高生や団体など合わせて雪像約30作品が並ぶ予定です。

ーー巨大な舞台を雪だけでつくるのですね。

小沼: はい。会場には、大型ダンプで約1000台分の雪を搬入します。「(雪像の)中まで全部、雪でできているの?」とよく聞かれるんですよ(笑)。ぜひ確かめに来てみてください!

毎年メインステージとなる大雪像のアイデアを募ります。今年は11年ぶりに只見線が復活したため、町内小学生からの要望を受け、企画実行委員会で検討し決めました。

ーー小沼さんがそれを形にするのですね。

小沼: 雪像用にデザイン原案を作成し、専門家が測量し設計を仕上げます。1月25日ごろから作製を開始します。過去には東京駅なども作製しマスコミにも取り上げられて、話題となりました。今年はどうなるのか・・・ご期待ください。

雪のステージでの歌謡ショー、
夜は花火と雪像の共演が見もの

ーー大規模な祭りなのですね。

小沼: 福島県では大きな雪まつりの一つです。巨大な雪のステージで、2日間にわたり、歌謡ショーなどの出し物が次々と繰り広げられます。そして、夜に打ち上げる花火が素晴らしいんです。

大雪像の真ん中に尺玉の花火が上がるように設計しているんですよ。毎回フォトコンテストもあり雪像と花火をモチーフにしたものが毎年話題を呼んでいます。

ーー観光で来られた方に何かおすすめのお店はありますか

小沼: 「ゆきんこ市」を会場で開催します。只見のそばをはじめ地元の伝統料理など、町内からの出店で祭りを盛り上げます。また、八十里越関連で、新潟県三条市からも出店があり三条のカレーラーメンは、ここ数年人気になっています。只見駅前に只見町インフォメーションセンターや飲食店もできましたので、ぜひご利用ください。

ゆきんこ市の様子

「雪を楽しむ」をコンセプトに
町民参加の一大イベントに発展!

ーー小沼さんが雪まつりに参画したきっかけはなんですか。

小沼: 当初は町主導の雪まつりでしたが、30回目のころに、「町民総参加」を呼びかけたのです。私自身は平成7年から携わっています。きっかけは、ボランティアで雪像を作る活動をしていたことです。実行委員会のメンバーにと声がかかり参加したのがきっかけです。

実行委員会の様子

ーーどんなことを大事に企画運営されていますか。

小沼: 実は、南会津一帯は豪雪地帯なんです。雪は昔から、町民の生活にとってお荷物的な存在でした。でもそれを逆手に利用して、自分達が雪を楽しもう! 訪問客にも楽しんでいただこう! という発想が雪まつりの根底にあるんです。

ーーなるほど、町民自身が雪を楽しむという側面があるのですね。

小沼: 各個人宅の前に、雪像を作ってミニコンテストも毎年行なっているんです。町民みんなが雪で遊べる仕組みを考えています。

そして、町民にとって苦労だった雪を、今度は観光資源に変えて、雪の少ない地域から来た人が、楽しめるイベントにしたいというのが真意です。

八十里越を代表する雪まつりとして
たくさんの人に来て雪を見てほしい

ーー八十里越のルートが数年後に開通しますが、期待することはありますか。

小沼: 雪まつりが始まった当初は、小規模だったのですが、年々少しずつ進化して今回で50回を迎えます。新潟県十日町の雪まつりは有名ですが、それに次いで、新潟県の三条市と只見町・南会津をつなぐ八十里越エリアを代表する雪まつりとして、知名度が上がるよう続けていきたいですね。

ーー最後に耳寄りの情報を教えてください。

小沼:オススメの情報としては、前夜祭があります。2023年の雪まつりでは、10日金曜日17:30から開催されます。大雪像をライトアップする瞬間に立ち合うことができますし、カラオケ大会もあります。また、2月に入れば雪像の形が少しずつでき上がってきます。その過程を見に来るのも面白いと思います。

できれば、再開通した只見線に乗って、只見の雪の魅力を満喫しに来て欲しいです。みなさんに感動していただけるように、頑張って準備しています。

「第50回只見ふるさとの雪まつり」については下記から
只見ふるさとの雪まつり専用サイト
只見ふるさとの雪まつりTwitter
只見ふるさとの雪まつりFacebook
只見町インフォメーションセンター


取材日/2023年1月10日
取材・執筆/ 寺澤順子
写真提供/只見町観光商工課